サブカル通信

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矛盾の中のほのぼの【アフリカのサラリーマン第1話レビュー・感想】

イントロ

本作品は漫画がpixivサイト内で連載されていて、Webアニメ化を経て、新たなスタジオに作られTOKYO MXに登場した。
秋アニメの中ではかなり下馬評が低く散々ネタにされたが、蓋を開けてみたら意外と面白いアニメだ。普通に楽しんでみれる。そんな「アフリカのサラリーマン」の1話目を語りたい。

印象・感想

とにかくほのぼのしたアニメ。
見た目はほのぼのほんわかしていながらも、内容には強烈なトゲを織り込んでいる。でもそこも含めてほのぼのしている。
そしてオオハシが本当に問題児。

5分アニメ感がすごいと思ってみてると、1パート7分弱の3パート構成になっている。

 

1パート目は痴漢冤罪の話。

社会風刺の題材が若干遅れてるのもまたほんわか面でのプラス。
人間性に問題のありすぎるオオハシと、正論は言うがどこかズレているトカゲの二人が痴漢を疑う女子高生二人と掛け合いをする。
オオハシは逃げるために、トカゲの頭から血を吹き飛ばして逃げることに成功。ほんわかしているのか、むごいのか、どっちだかわからない。
しかし、出血シーンも特に気持ち悪い印象は全然受けなかった。ちょうどほんわかを保てるような表現を選んでいる。

 

2パート目はドーナツ屋さんで買い物をする話。

トカゲとオオハシがドーナツを買いに行く。オオハシがここでも問題児、トカゲを脅してドーナツを全部買わせる。そして朝に会った女子高生達と再開してしまう。カルマ。
そしてオフィスに戻ると、不機嫌そうなライオン先輩がいた。
「もしかして僕ら、何かしたかな?」と一緒に考えるオオハシとトカゲ。思い当たる出来事全て、オオハシの首が飛んでも仕方ないことばかり。
オオハシがやってることに現実と非現実の間でのバランスが感じられた。

 

3パート目は合コン。
前回早退したオオハシが向かったのは合コン。4対4の合コンで、相手は全員女子大生という神セッティング。
みんな順調に相手の女の子と仲良くなる中、オオハシは終始ペットを相手にしていたのだ。文面だけでは意味がわからないと思うが、アニメを見た方なら全員どういうことだかわかるはず。
風邪でドタキャンした豚の女の子の代わりにその子のペットの豚がやってきた。
豚の女の子が豚をペットにしている。なんだこれ。共食いか。食べてないから共食いではない。にしても意味不明だ。
真面目に考えると矛盾が多すぎて混乱するのだが、何も考えないで見るとなぜか心地がいい、そんなアニメだ。

そして「デリヘル」という言葉を出したのにびっくりした。見た目はほんわかなのに、内容は割とエゲつくなる場面が多い。

色々考えてみる

すごく新しいタイプのアニメだと思う。
こういうアニメって、社会風刺も出来る限りタイムリーだし、表現もあまりやりすぎない。

でも「アフリカのサラリーマン」はちょうどいいところを突いている。
設定は現実を模していて固いが、日本的社会の問題に深入りしすぎない。
社会風刺も鋭すぎないのだがギャグの内容ははっちゃけている。
アートスタイルはゆるいのだが内容はバイオレンス。

チグハグっぽいのだが、不思議なバランスを保っているアニメだ。
そして見た目が固い割りに世界のシステムが不完全であること。

僕らの世界との世界観の違いを考えるとフォローして欲しい箇所がいくつもあるのだが(豚の女の子が豚を飼っている、オオハシがどうやって女子高生たちから逃れられたのか、そして大体なぜサバンナが日本的社会になってその上肉食動物と草食動物が協力出来ているのか)、そこは脱力系アニメ、説明するところと説明しないところの線引きを理解している。

次回に向けて

オープニングを見ていると、ストーリーはライオン、トカゲ、オオハシの3人が中心になるっぽい。この3トップに他のキャラクターが加わることがなさそう。
そうなると気になるのがこれからもトカゲとオオハシの掛け合いが中心になるのか、それともライオン&トカゲ、ライオン&オオハシの場面も増えてくるのかどうか。

雑感

BEASTARSに続きアフリカのサラリーマンと、動物擬人化系のアニメの記事が多くなってしまっている気がする。これに加えて「旗揚!けものみち」の記事も書く予定なので、いよいよケモノ好きになってしまう。