サブカル通信

アニメ、ゲーム、漫画などのサブカルチャーについて記事を書いています。

男と女オタクのクロスオーバー【慎重勇者第1話レビュー・感想】

イントロ

「この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる」というライトノベル作品が小説→漫画化を経て、ついにアニメ作品として放送されることになった。
新米女神のリスタルテが竜宮院聖哉という一般的(?)な男の子がある世界を救うストーリーである。
ギャグがシンプル・イズ・ザ・ベスト、キャラデザも男性と女性の両方が楽しめるようになっている。

印象・感想

クールな男性の主人公に対しギャグ的なヒロイン、というありふれてそうであまり出回っていない作品だと思う。

異世界ものは弱気でオドオドした主人公が多い中、この物語では硬派な男性が主人公である。
まるで80年代の漫画からやってきたようなキャラクターだ。慎重な性格を含めてゴルゴ13を思い出してしまった。例えば飲み物をリスタルテに渡される際、先にリスタルテに飲ませて安全を確認してから自分も飲むという行為はゴルゴ13も行なっている。
もし聖哉がリスタルテに背後に立たれることを嫌ったら、いよいよゴルゴ13になってしまう。

対してヒロインは新米女神のリスタルテ。表では女神らしく振舞いながらも、実は頑張ってその印象を取り繕っている。
聖哉に対して好意を抱いてる様子がある。外では隠そうとするが、隠しきれていない場面が多い。いつか聖哉にアタックしてしまうのでは。恋愛の描写も後に控えているだろう。

ストーリーの進行はすごくシンプル。
リスタルテが何かを説明して聖哉に行動や決断を促し、聖哉がそれを見事なまでに裏切り、リスタルテがそれに対して指摘や訂正を入れる。
これはフリ→ボケ→ツッコミという典型的な漫才の方である。基本的にこの漫才型の流れで二人の掛け合いは進行する。JRPG漫才、とも言えるか。豊崎愛生のフル稼働が要求される。

聖哉がキャラクターデザインが男受けと女受けの両立ができている。
クールで硬派な雰囲気が男受けし、ルックスとスカした感じが女受けしている。男が惚れる男と、女が惚れる男のちょうど中間ぐらいにいるキャラクターだ。
リスタルテも多くの男性の人気と女性の共感が得られそうなので、男性と女性の両方が夢中になれるアニメだ。

 色々考えてみる

後から明かされるのだろうけれど、設定で気になることが多い。
例えば、なぜ新米の女神であるリスタルテが救済難度S級レベルの任務に任命されたのか。ベテランでも手を焼くS級に新米を起用するにはそれなりの理由が必要になるかと。

そしてなぜ主人公がそれまでに慎重なのか。ただただ変なやつであることで処理できそうだけれど、ここを深く掘り下げることができれば面白くなると思う。
女神が転生する人間を選ぶときの用紙にも身長、体重、RPG的な意味での能力以外のことは書いていなかったため、まだ聖哉は隠されたところがいっぱいあるのだろう。もしかしたら壮絶な生い立ちだったのかもしれない。

さらに、聖哉はRPGをやったことがないのに世界観の理解が早かったのも気になる。自重トレーニングでRPG的能力値を上げたり、防具のスペアを買ったり、何かと計算高い場面が多い。何かしら一般人とは別の経験をしている感じがすごい。

最後になぜ四天王の一人がいきなり出てきたのか。ゲームのRPGでは四天王的な立場の相手が出てきて主人公を牽制するor負けイベント突入という流れはよくあるのだが、この場面ではゲームオーバーもあり得たっぽい。主人公があまりにも強いと思い、芽を今のうちに摘もうと思ったのか?どうなんだろう。

雑感

全体的に見れば当たりアニメなのだが、ストーリーの流れや設定がやや強引である印象を受ける。
設定に対するフォローがないのが主に気になるところ。
例えばリスタルテにS級の世界が任命された時に周りが驚く様子もなく自然に受け入れている感じがする。
でもそういうところって考えすぎると負けって感じもする。あまり頭を働かせずに楽しもうと思う。