サブカル通信

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蒔かれる種、膨らむ胸【BEASTARS第1話レビュー・感想】

イントロ

週刊少年チャンピオンで掲載されている漫画「BEASTARS」。九月に連載 4 年目を迎 え、今月からアニメがフジテレビなどで放送されている。 擬人化された動物たちが全寮制の学校で過ごす、という説明だけを聞けばかなりメ ンヘルな印象があるが、一旦身始めれば生々しい世界が繰り広げられている。 そんなアニメ「BEASTARS」の 1 話目に関して語りたい。

感想

1 話から受けた印象は「謎」という漢字でまとめられる。 これは批判ではない。 絶妙の理解できない部分が多く、それが後になって解き明かされるのが楽しみなの だ。だから心地いい「謎」が心にあって、第 2 話が楽しみになってしまう。

誰が冒頭の羊の子を食べたのだろうか。完全にレゴシにしか見えないけど、もしか したら違うのかもしれない。 なぜ、これまでハル(うさぎの女の子)がいじめられるのか。 ハルは「男と遊び呆けている」「また男に守ってもらうんでしょ」と悪態をつかれ るが、男との交友関係はどうなっているのか。
演劇部はどのくらいの規模で学校に影響力があるのか。 だいたい、なぜ時折対立を見せる草食動物と肉食動物が一緒の学校に通うのか。

特に気になるのがハル。極限なまでに孤立するどころか、5階くらいの高さから教 科書やマットレス(これ本当に怪我させに来てるとしか思えない)を投げつけられ たり。あと話しかけられた相手が水の貯まったバケツを用意するくらい用意周到だ ったり。

確かに強気だし生意気と思われかねない雰囲気はあるけれど...

そしてなぜハルは夜中に外を出歩いていたのか。そしてなぜレゴシはハルを襲おう としたのか。 最後にレゴシがハルに乗っかったところで終わったけど、ここからどうなるんだろ う。食べるのかな。それとも何かしら会話するのかな。どうなるんだろう。第2話 の冒頭で処理されると思うし、楽しみになってしまっている。

一番印象に残ったシーン

個人的に一番好きだったシーンは、新たな配役に不満を表していた部員がルイ(ツ ノがすごいシカ、劇団の中心人物)に殴りかかろうとした時にレゴシが守ったシー ン。レゴシは暗くてあまり目立たない控えめなキャラクターなのだがああ言う場面 で男らしさを見せられると胸が熱くなる。 これからも見た目はクールだけれど心の底には誰よりも熱い何かが潜んでいるレゴ シの活躍に期待したい。

考察

あまり最初から一発狙っている印象はない。

1 話目は展開の面白さで惹きつけるというよりは、ゆっくり絡みついて来ている印 象。

後から面白くなるように、今から種を蒔いている。 最初の数話で引き付けて、後で勝負をかけると言う感じ。その策略は今の所成功し ている印象。
上に書いた謎がどの様に回収されるのが楽しみで仕方がない。

だから第 1 話で面白いとは感じないかもしれないが、最初の数話で切ってはいけな い様な気がする。いろんなフラグが回収されるまでしばし待つべきだ。 特に誰が羊の子を食べたのかどうか。狼で間違いなさそうだけれど、果たしてレゴ シなのだろうか。

雑感

BEASTARS の原作を書いている稲垣巴留は「グラップラー刃牙」の作者・稲垣恵介の 娘なのが意外だった。知らなかった。 あと、現実味を感じる動物の擬人化というニッチな需要のあるタイプの作品なのだ が、特に表現でやり過ぎる部分がなくあまりアニメを見ない人にもオススメできそ うな出来になっている。